Japanese
English
臨床経験
脛骨に単発した骨Paget病の1例
Monostotic Paget Disease from the Tibia
松本 智子
1
,
秋山 寛治
1
,
大坪 義正
1
,
本川 哲
1
,
井上 喜博
1
,
群家 則之
2
Tomoko Matumoto
1
1国立長崎中央病院整形外科
2群家病院整形外科
1Departement of Orthopaedic Surgery, National Nagasaki Chuo Hospital
キーワード:
骨Paget病
,
Paget disease of bone
,
脛骨
,
tibia
Keyword:
骨Paget病
,
Paget disease of bone
,
脛骨
,
tibia
pp.323-325
発行日 1991年3月25日
Published Date 1991/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900314
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抄録:49歳,女性が,左下腿の彎曲変形を主訴に来院した.X線像では脛骨の前外方への彎曲と骨皮質の肥厚を認め,骨シンチでは脛骨全体に取り込みが増加していた.血液生化学的検査では,血清のアルカリフォスファターゼ値は軽度上昇していたが,他には特に異常を認めなかった.脛骨の骨生検像で骨髄に線維性結合組織を伴い,層状骨の骨梁は不規則でいわゆるモザイク構造を示していた.以上の結果より,脛骨に単発した骨Paget病であることがわかった.本疾患はわが国では稀とされているが,文献的に単発例の場合は脛骨に比較的多く見られる.しかし,本例のように,中年以後の女性の脛骨に単発した場合,下腿の内反変形があっても見過ごされている可能性もあり,このように長管骨の変形を来した場合には,念頭においておく必要のある疾患ではないかと考えられる.
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