Japanese
English
臨床経験
上腕骨に単発した骨Paget病の1例
A Case Report of a Paget's Disease with Solitary Lesion in Humerus
吉本 三徳
1
,
倉 秀治
1
,
常見 健雄
1
,
瀧内 敏朗
1
,
鈴木 知勝
2
,
薄井 正道
3
,
石井 清一
3
Mitsunori Yoshimoto
1
1釧路赤十字病院整形外科
2釧路赤十字病院病理
3札幌医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kushiro Red Cross Hospital
キーワード:
Paget's disease
,
骨Paget病
,
humerus
,
上腕骨
,
solitary lesion
,
単発病巣
Keyword:
Paget's disease
,
骨Paget病
,
humerus
,
上腕骨
,
solitary lesion
,
単発病巣
pp.655-658
発行日 1999年5月25日
Published Date 1999/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902717
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抄録:上腕骨に単発した骨Paget病の1例を経験した.症例は71歳,女性で,主訴は右上腕部痛であった.40歳頃より特に誘因なく右上腕部痛が出現したが疼痛が軽度であったため放置していた.1997年1月頃より疼痛が増強し,当科を受診した.単純X線像では右上腕骨は前外方へ弯曲し,全長にわたり骨透亮像および骨硬化像が混在していた.骨シンチグラムでは上腕骨全長にわたって集積を認めた.血液検査ではALPが20.1KA-Uと高値を示していた.
以上の所見より骨Paget病および慢性骨髄炎を疑い骨生検を施行した.病理所見では骨梁のモザイク構造と多数の骨芽細胞および破骨細胞を認め,骨Paget病と診断した.ビスホスホネート(ダイドロネル)200mg/日を約6カ月間にわたって投与し,症状の軽快と血清ALP値の正常化をみた.骨Paget病は本邦では稀な疾患であり,上腕骨単発例は本邦では本症例のみである.
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