Japanese
English
臨床経験
胸腰椎部に発生した硬膜外くも膜嚢腫の1例
A Case Report of Extadural Arachnoid Cyst in Thoraco-Lumbar Spine
米津 浩
1,2
,
小川 維二
1
,
樋笠 靖
1
,
五味 徳之
1
Hiroshi Yonezu
1,2
1大樹会回生病院整形外科
2高知市民病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Tai jukai Kaisei Hospital
キーワード:
硬膜外くも膜嚢腫
,
extradural arachnoid cyst
,
MRI
,
magnetic resonance imaging
,
手術
,
surgery/operative
Keyword:
硬膜外くも膜嚢腫
,
extradural arachnoid cyst
,
MRI
,
magnetic resonance imaging
,
手術
,
surgery/operative
pp.1159-1162
発行日 1994年10月25日
Published Date 1994/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901479
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抄録:胸腰椎部に発生した硬膜外くも膜嚢腫の1例を経験したので報告する.症例は63歳女性,腰痛を主訴に来院した.胃潰瘍の既往があるが,外傷歴,腰椎穿刺の経験はない.単純X線にてL1,L2椎弓根の菲薄化,椎弓根間距離の拡大を認めた.MRIにおいてT1強調像では脊柱管内後方にTh11/12レベルよりL3椎体中央レベルにいたる低輝度のmass lesionを認め,脊柱管前後径は拡大していた.また,同レベルにおける脊髄の前方への圧排を認めた.T2強調像においても同部位に高輝度のmass lesionを認めた.1993年5月12日手術を施行した.嚢腫は白色で光沢を有し,呼吸性の拍動を認めた.その辺縁は硬膜と線維性に軽く癒着するも剥離は容易であった.一般にくも膜嚢腫の手術成績は良好で再発も少ないとされている.可能な限り嚢腫を摘出するのは当然であるが,交通孔を発見し,これを縫合,閉鎖することが重要である.
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