Japanese
English
症例報告
人工股関節置換術を行った骨Paget病の1例
Total Hip Arthroplasty for Paget's Disease : A Case Report
轉法輪 光
1
,
大野 一幸
1
,
濱田 健一郎
1
,
木下 裕光
1
,
篠田 経博
1
Ko Temporin
1
1大阪船員保険病院整形外科
1Osaka Seamen's Insurance Hospital
キーワード:
Paget's disease
,
骨Paget病
,
total hip arthroplasty
,
人工股関節置換術
,
bisphosphonate
,
ビスフォスフォネート
Keyword:
Paget's disease
,
骨Paget病
,
total hip arthroplasty
,
人工股関節置換術
,
bisphosphonate
,
ビスフォスフォネート
pp.689-692
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100717
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抄録:症例は84歳女性,主訴は左股部痛.単純X線像上左大腿骨に骨皮質の肥厚,骨梁の粗造化を認め,血中アルカリフォスファターゼ(ALP)は高値を示し,骨Paget病と診断した.カルシトニン・エチドロネートの投与により,ALPは正常化し,骨シンチグラフィーの取り込みも減少し病勢は低下したが,左股部痛は持続した.左股関節ブロックにより症状の改善を得たため,骨Paget病による変形性股関節症と診断し,セメント使用にてZimmer社製Centralign®を用い左人工股関節置換術(THA)を行った.大腿骨髄腔の骨は硬化していた.術後12カ月の現在,痛みなく杖歩行が可能であり,異所性骨化,インプラントの弛みなどはみられない.骨Paget病に対しTHAを行う際には術中出血の軽減や術後の弛み防止のため病勢コントロールが重要であり,骨硬化のため術中操作や使用する人工関節の選択に苦慮する場合があり,注意を要する.
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