Japanese
English
臨床経験
頭蓋骨早期癒合症を伴った多発性骨癒合症と思われる1例
A Case of Multiple Synostosis with Craniosynostosis
二井 英二
1
,
横角 健二
1
,
原 親弘
1
Eiji Nii
1
1三重県立草の実学園整形外科
1Department of Orthopedic Surgery Kusanomi Gakuen Hospital for Crippled Children
キーワード:
多発性骨癒合症
,
multiple synostosis
,
頭蓋骨早期癒合症
,
craniosynostosis
,
指節骨癒合症
,
symphalangism
Keyword:
多発性骨癒合症
,
multiple synostosis
,
頭蓋骨早期癒合症
,
craniosynostosis
,
指節骨癒合症
,
symphalangism
pp.1205-1208
発行日 1990年10月25日
Published Date 1990/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900210
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抄録:多発性骨癒合症は,指骨,手根骨,中手骨,足根骨,肘関節等に骨癒合のみられる先天性奇形の総称である.今回我々は4歳,女児で,頭蓋骨早期癒合症の1つであるCrouzon病に,手根骨,足根骨の骨癒合がみられ,MP関節および肘関節に拘縮を伴った極めて稀な多発性骨癒合症と思われる症例を報告した.多発性骨癒合症は,その診断において,癒合骨の部位,および数などについての最低基準に関しての定説はなく,若干の混乱がみられている.更に,多発性骨癒合症の報告例中,本症例のように極めて稀に頭蓋骨早期癒合症を伴っているものがみられるが,これらが同一疾患の異なる表現型なのか,あるいは別個の疾患であるのかは現在のところ明らかにされていない.本症例の診断においては,これらを骨格疾患要素の1つの表現型と考えれば,多発性骨癒合症という名称が妥当であると思われた.
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