Japanese
English
臨床経験
銅欠乏症により特異な骨変化のみられた1例
Skeletal Changes of Copper Deficiency in an Infant
二井 英二
1
,
横角 健二
1
,
原 親弘
1
,
荻原 義郎
2
,
山崎 征治
3
Eiji Nii
1
1三重県立草の実学園整形外科
2三重大学医学部整形外科
3上野総合市民病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery Kusanomi Gakuen Hospital for Crippled Children
キーワード:
銅欠乏症
,
copper deficiency
,
壊血病
,
scurvy
,
くる病
,
rickets
,
骨変化
,
skeletal changes
,
乳児性皮質性骨増殖症
,
infantile cortical hyperostosis
Keyword:
銅欠乏症
,
copper deficiency
,
壊血病
,
scurvy
,
くる病
,
rickets
,
骨変化
,
skeletal changes
,
乳児性皮質性骨増殖症
,
infantile cortical hyperostosis
pp.1047-1051
発行日 1991年9月25日
Published Date 1991/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900426
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抄録:症例は,2歳の男児で,先天性多発性小腸閉鎖症の術後,短小腸症候群となり,完全静脈栄養施行中,四肢の腫脹,運動制限をきたし,X線上四肢の著明な骨膜性骨肥厚所見がみられた.完全静脈栄養の既往,血清銅値の低下,著明な全身の筋緊張の低下等より,銅欠乏症によるcollagenの代謝異常のため起こった骨変化と診断した.銅は,種々の反応における触媒作用を有し,重要な機能としては,ミトコンドリアにおけるエネルギー代謝,エラスチンおよびコラーゲン形成,色素形成,造血機能に関するものなどがあげられ,その欠乏により様々な症状を呈する.人における銅欠乏症は,欧米25例,本邦8例,計33例の報告がみられるが,本症例のように完全静脈栄養による銅欠乏症で骨変化のみられたものは,欧米7例,本邦3例の計10例の報告をみるに過ぎない.X線上の変化は,くる病様,壊血病様とされており,これらとの鑑別が特に重要である.
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