Japanese
English
総説
頭蓋骨縫合早期癒合症の治療法と手術時期について
Treatment Types and Optimal Age for Craniosynostosis
坂本 好昭
1
,
三輪 点
2
Yoshiaki SAKAMOTO
1
,
Tomoru MIWA
2
1慶應義塾大学医学部形成外科
2慶應義塾大学医学部脳神経外科
1Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Keio University School of Medicine
2Department of Neurosurgery, Keio University School of Medicine
キーワード:
craniosynostosis
,
cranioplasty
,
distraction osteogenesis
,
total cranial remodeling
,
craniectomy
Keyword:
craniosynostosis
,
cranioplasty
,
distraction osteogenesis
,
total cranial remodeling
,
craniectomy
pp.293-300
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203499
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Ⅰ.はじめに
頭蓋骨縫合早期癒合症は,何らかの原因で頭蓋骨縫合が通常よりも早い時期に癒合してしまい,頭蓋骨の正常な発育が阻害されるために,脳組織の正常な発達が妨げられてしまうと同時に頭の形が変形する疾患である.
臨床的には,病変が頭蓋冠に限局される非症候群性頭蓋骨縫合早期癒合症と,病変がさらに頭蓋底から顔面,四肢に及ぶ症候群性頭蓋骨縫合早期癒合症(Crouzon症候群,Apert症候群,Pfeiffer症候群など)に大別している.それぞれにおいて,早期癒合した縫合とその頭蓋形態から舟状頭,斜頭,三角頭,短頭,尖頭,クローバー様頭蓋などの変形がみられる.
本疾患の治療法はこれまでにさまざまな術式が報告されている.一方で,本疾患は頭蓋変形の程度や,後述するように治療時期もさまざまである.そのため1つの術式に固執することなく,それぞれの術式の利点と欠点,変形や治療時期から,最適な治療法を選択すべきである.本稿では筆者らが実践している治療時期と変形からみた手術方法を概説する.
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