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特集 痛みをとらえる(第21回日本脊椎外科学会より)
主題 痛みの基礎的研究
後根及び脊髄後根神経節の急性圧迫による脊髄後角広作動域ニューロンの反応の変化
Changes in Responses of Wide Dynamic Range Neurons in the Spinal Dorsal Horn Following Posterior Root or Spinal Ganglion Compression
花井 文彦
1
,
松井 宣夫
2
,
本郷 信男
1
Fumihiko Hanai
1
1員弁厚生病院整形外科
2名古屋市立大学整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Inabe Kousei Hospital
キーワード:
脊髄後角
,
spinal dorsal horn
,
広作動域ニューロン
,
wide dynamic range neuron
,
根性痛
,
radicular pain
,
椎間板ヘルニア
,
disc herniation
Keyword:
脊髄後角
,
spinal dorsal horn
,
広作動域ニューロン
,
wide dynamic range neuron
,
根性痛
,
radicular pain
,
椎間板ヘルニア
,
disc herniation
pp.487-494
発行日 1993年4月25日
Published Date 1993/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901099
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抄録:ネコの脊髄後角より単一ニューロン活動を記録し,皮膚の侵害性機械刺激に反応するものを選んで研究の対象とした.触刺激から侵害刺激に至る種々の強さの刺激に段階的に反応する広作動域ニューロン32個を検出した.後根及び脊髄神経節をおのおの40gマイクロ血管クリップを使用して3分間圧迫した.後根の圧迫では一過性(7~48秒間,平均24.5秒間)の自発性興奮の増強を示した.しかし,その後は圧迫が継続したのに圧迫前の状態に戻った.脊髄神経節を圧迫すると,3分間の圧迫中持続して自発性興奮の増強が認められた.圧迫を解除した後も数秒~数十秒間自発性スパイク発射の増強が続いた.後根あるいは脊髄神経節の圧迫を行う前と直後に,末梢受容野機械刺激の反応を調べた.どちらの圧迫を行ったニューロンにおいても,受容野の低域値中心部の拡大及び触刺激に対する反応の増強を認めた.これは椎間板ヘルニア急性期の痛覚過敏に対応すると考えられた.
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