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特集 脊椎脊髄病学最近の進歩(第30回日本脊椎脊髄病学会より)
神経根性疼痛モデルラット後根神経節における電位依存性イオンチャネルサブユニットの発現変化
Changes in Expression of Voltage-dependent Ion Channel Subunits in Dorsal Root Ganglia of Radicular Pain Model Rats
安部 理寛
1,2
,
栗原 崇
3
,
韓 文華
3
,
四宮 謙一
1
,
田邊 勉
3
Masahiro Abe
1,2
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科脊椎脊髄神経外科
2現:土浦協同病院整形外科
3東京医科歯科大学大学院高次機能薬理および科技団・戦略
1Department of Orthopaedic and Spinal Surgery, Graduate School of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
radicular pain
,
神経根性疼痛
,
voltage-dependent ion channel
,
電位依存性イオンチャネル
,
dorsal root ganglion
,
後根神経節
Keyword:
radicular pain
,
神経根性疼痛
,
voltage-dependent ion channel
,
電位依存性イオンチャネル
,
dorsal root ganglion
,
後根神経節
pp.343-349
発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903509
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抄録:神経根性疼痛モデルラット後根神経節における電位依存性Na+およびCa2+チャネルサブユニットの発現変化を,末梢神経傷害性神経因性疼痛モデルラット後根神経節と比較検討した.Nav1.3およびCavα2δの発現増加は,末梢神経傷害性疼痛モデルにおいてのみ認められた.一方,Nav1.9の発現減少は両モデルで共通してみられたが,末梢神経傷害性疼痛モデルにおいて発現減少は顕著であった.また,Cavα2δの高親和性リガンドと考えられるギャバペンチンの鎮痛効果を検討すると,神経根性疼痛に比べ末梢神経傷害性疼痛に対して効力が劣ることが示され,両疼痛モデルにおけるCavα2δの発現変化の差異と関係していることが示唆された.これらの結果は,後根神経節自体もしくは後根神経節よりも中枢側での傷害に起因する神経根性疼痛と末梢神経傷害性疼痛は,異なる分子メカニズムに起因することを示唆する.
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