Japanese
English
特集 痛みをとらえる(第21回日本脊椎外科学会より)
主題 痛みの基礎的研究
腰椎椎間関節および周囲組織における感覚受容器の炎症に対する反応
Response of the Sensory Receptors in the Lumbar Facet Joint and Adjacent Tissues to Acute Inflammation
山下 敏彦
1
,
三名木 泰彦
1
,
横串 算敏
1
,
石井 清一
1
,
Cavanaugh, J. M.
2
,
King, A. I.
2
Toshihiko Yamashita
1
1札幌医科大学整形外科
2ウェイン州大学生体工学センター
1Department of Orthopaedic Surgery, Sapporo Medical College
キーワード:
腰椎椎間関節
,
lumbar facet joint
,
ポリモーダル受容器
,
polymodal receptor
,
炎症
,
inflammation
,
痛み
,
pain
Keyword:
腰椎椎間関節
,
lumbar facet joint
,
ポリモーダル受容器
,
polymodal receptor
,
炎症
,
inflammation
,
痛み
,
pain
pp.479-485
発行日 1993年4月25日
Published Date 1993/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901098
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抄録:本研究では,腰椎椎間関節および周囲組織における感覚受容器が炎症に対していかなる反応を示すかを,電気生理学的に検索することを目的とした.ウサギの腰椎に椎弓切除を施行し,後根より求心性電位を記録した.椎間関節および周囲組織の機械的感覚受容野を同定し,その機械的閾値や支配神経の伝導速度などの生理学的特性を分析した.椎間関節部に炎症性物質を投与し,急性炎症を惹起させ,感覚受容器の放電頻度や生理学的特性の変化を分析した.
炎症により,感覚受容器からの求心性放電頻度が増大した.また,関節の動きに対する受容器の反応性が亢進した.これらの変化は,高閾値受容器と低閾値受容器の両者に認められた.以上の結果より,椎間関節の炎症は,侵害受容の機能を有する高閾値受容器を興奮させることにより,疼痛の発生に関与していると思われた.また,炎症により,体動時の痛みが発生しやすくなることが示唆された.
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