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特集 転移性脊椎腫瘍治療大全
第3章 治療の適応と手技
腫瘍脊椎骨全摘術
Total en bloc Spondylectomy(TES)
出村 諭
1
,
加藤 仁志
1
,
横川 文彬
1
,
清水 貴樹
1
Satoru DEMURA
1
,
Satoshi KATO
1
,
Noriaki YOKOGAWA
1
,
Takaki SHIMIZU
1
1金沢大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Graduate School of Medical Sciences, Kanazawa University
キーワード:
転移性脊椎腫瘍
,
metastatic spine tumor
,
腫瘍脊椎骨全摘術
,
total en bloc spondylectomy
,
局所根治手術
,
locally curable procedure
Keyword:
転移性脊椎腫瘍
,
metastatic spine tumor
,
腫瘍脊椎骨全摘術
,
total en bloc spondylectomy
,
局所根治手術
,
locally curable procedure
pp.777-782
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202406
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はじめに
近年のがんの診断・治療の進歩や普及により,多くのがん腫において患者の生存率は向上している.同時に脊椎転移を有する患者の生存率も延長し,患者数も増加傾向にある.骨転移巣に対しては,各種全身治療,放射線治療,手術治療が行われるが,一般に骨転移巣はほかの転移巣に比べてがん薬物療法に抵抗性を示すことが多く,疼痛や麻痺などの骨関連事象(skeletal related events:SRE)により患者のADLを低下させることも多い.その中で,転移性脊椎腫瘍に対しては,いかに生存期間の中で脊椎病巣をコントロールし,脊椎・脊髄機能を維持することによってQOLの維持・改善を図ることが主眼となる.一方で,一部の症例や癌腫では,局所根治を目指した完全切除を行うことにより,生命予後の延長も期待できる.腫瘍脊椎骨全摘術(total en bloc spondylectomy:TES)は,腫瘍脊椎骨を周囲の靭帯や骨膜のバリア組織とともに一塊として切除する術式であり,局所根治性の高い手技として報告されてきた.本稿では,脊椎転移に対するTESの適応と手技について概説する.
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