Japanese
English
特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)
胸腰椎黄色靭帯骨化症の病態—発症の局所因子と神経症状—手術治療例からの検討
Study on Pathology of Ossification of the Ligamentum Flavum of the Thoracolumbar Spine
倉上 親治
1
,
金田 清志
1
,
鐙 邦芳
1
,
橋本 友幸
1
,
白土 修
1
,
高橋 洋行
1
,
武田 直樹
1
,
藤谷 正紀
2
Chikaharu Kurakami
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
2北海道整形外科記念病院
1Department of Orthopedic Surgery, Hokkaido University School of Medicine
キーワード:
胸腰椎
,
thoraco-lumbar spine
,
黄色靱帯骨化
,
ossification of the ligamentum flavum
,
腰髄膨大部
,
lumbar enlargement of the spinal cord
,
椎間板変性
,
disc degeneration
,
椎体楔状変形
,
vertebral wedging
Keyword:
胸腰椎
,
thoraco-lumbar spine
,
黄色靱帯骨化
,
ossification of the ligamentum flavum
,
腰髄膨大部
,
lumbar enlargement of the spinal cord
,
椎間板変性
,
disc degeneration
,
椎体楔状変形
,
vertebral wedging
pp.441-448
発行日 1988年4月25日
Published Date 1988/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907836
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抄録:胸腰椎黄色靱帯骨化(OLF)単独障害21例の手術治療例と明らかなOLFを認めるが無症状の47例を対照とし,神経症状とその発症に関する局所因子を中心に検討した.初発症状は何らかの下肢症状であったが,手術時には90%が歩行障害と排尿障害を訴えた.主要障害高位は脊髄腔造影の診断では,T10/11椎間10例,T11/12椎間7例で他4例は多椎間であった.神経学的所見では,T10/11椎間障害高位例はlong tract signを示したものが多かった.しかし,T11/12椎間障害高位例では下肢腱反射の低下や著明な筋力低下など,髄節性障害の加わった,多彩な神経学的所見を示すものが多かった.椎間板変性は手術群で67%に認められ,特に変性の著明なものは,対照群より多く認めた.椎体の楔状変形もOLF手術群で43%に認められた.OLFの骨化増大には,全身的な靱帯骨化因子とともに,椎間板変性や椎体楔状変形など黄色靱帯に対するストレスを増加させる因子が局所因子として考えられた.
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