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2024(令和6)年5月23〜26日に第97回日本整形外科学会学術総会が福岡で開催されました.現地参加者が7,700名を超え,大変盛況な総会となりました.オンデマンド配信はあるものの,やはり現地参加による生のディスカッションはWebでは得られないものと感じました.この4年間,制限のある中での学会開催でしたが,これでほぼもとに戻ったと言えるのでしょうか.そうした中でも,オンデマンド配信やSDGsに沿った弁当の配布方法,華美でないイベントなど,COVID-19以前とは変わったことも多々あります.おそらくCOVID-19がなくても,いずれは成るべくしてなったのかもしれません.総会の方向性は,他の関連学会にも影響します.数年後には100回を迎える日整会総会も次の50年,100年でどのように進化・深化を遂げていくのでしょうか.とても楽しみです.
今号では,視座は昭和大学の工藤理史先生にお願いし「百聞は一見にしかず」というテーマで述べていただきました.特集は「脊損患者への投与が始まった脊髄再生医療—脊髄損傷患者に希望が見えるか—」で,松山幸弘先生にご企画いただきました.肝細胞増殖因子,骨髄間葉系細胞,iPS細胞,Muse細胞,顆粒球刺激因子(G-CSF)による脊髄再生医療を中心に,脊髄損傷治療薬,外科的手術,リハビリテーションまで幅広く脊髄再生医療について特集を組んでいただきました.論述では鈴木仁士先生に「血友病患者における骨密度と血中ビタミンD濃度の現状について」述べていただきます.最新基礎科学/知っておきたいでは「CDK8阻害薬と骨代謝」について檜井栄一先生にご紹介いただきます.境界領域/知っておきたいでは塚本 学先生に「COPDと骨粗鬆症」,藤原慎一郎先生に「整形外科領域における輸血」についてご紹介いただきました.その他,臨床経験を加え,幅広く最新の医療について学ぶことができると思います.
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