増大号特集 絶対! 整形外科外傷学
column
整形外科と形成外科と働き方改革
櫻庭 実
1
Minoru SAKURABA
1
1岩手医科大学医学部形成外科学講座
1Plastic, Aesthetic and Reconstructive Surgery, Iwate Medical University
pp.590
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202980
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重度四肢外傷の治療における最も治療に手数の必要な病態として,広範な皮膚軟部組織欠損や末梢の血流途絶を伴う場合が挙げられる.血流が途絶している場合は迅速に血行再建術が必要であるし,広範な皮膚軟部組織欠損では7日以内程度の準緊急に組織移植による再建術が必要である.いずれの場合もマイクロサージャリーの技術が必要で,かつ手術に長時間を要する場合も多い.このような技術を持つのは整形外科医または形成外科医以外には考えられない.
一方で,医師の過労死問題に端を発した働き方改革が2024年4月から本格的に始動する.前述のような長時間緊急手術などを行い深夜まで労働した場合は,翌日休む,あるいは9時間の勤務間インターバルをとることが求められる.これを額面通りに実施すると,代替えの医師がいない限り翌日の予定手術を延期・中止するなどの必要に迫られることは明白である.
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