特集 股関節鏡手術のエビデンス—治療成績の現状
緒言
杉山 肇
1
Hajime SUGIYAMA
1
1神奈川リハビリテーション病院
pp.845
発行日 2023年7月25日
Published Date 2023/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202719
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股関節鏡手術は21世紀に入り技術の進歩により大きく発展した.さらに,大腿骨寛骨臼インピンジメント(femoroacetabular impingement:FAI)の出現により広く認知され,鏡視下手術の必要性が高まっている.そうした中,今回,「股関節鏡手術のエビデンス—治療成績の現状」として企画を組ませていただいた.本特集では,まだ必ずしも十分でない“エビデンス”に主眼を置きつつ,股関節鏡に関連したさまざまな治療を知っていただけるような構成とした.筆者には新進気鋭の先生方にご参画いただいており,股関節外科医はもちろんのこと,その他の領域の方々にも関心をもっていただけるよう企画している.
まず,最も大きな適応であるFAIについて,本邦で作成された診断指針の中心である山崎琢磨先生に具体的な診断法を解説していただき,梅津太郎先生には保存療法との比較を踏まえ,FAIの鏡視下手術の成績について成績不良要因を含めてお示しいただいた.また,股関節鏡手術で大きな議論があるスポーツ選手に対する股関節鏡手術では,その適応や境界型寛骨臼形成不全に対する股関節鏡手術,そして股関節唇再建術についてそれぞれの第一人者である山藤崇先生,星野裕信先生,村田洋一先生に解説いただいた.さらに,従来から股関節鏡の適応である化膿性股関節炎やsynovial osteochondromatosisの鏡視下手術について福島健介先生,松下洋平先生に担当いただいている.
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