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増大号特集 もう悩まない こどもと思春期の整形外科診療
4章 痛みや跛行を伴う疾患
神経・筋疾患
Neuromuscular Disease:Muscular Dystrophy, Guillain-Barré Syndrome, Spina Bifida Occulta, Charcot-Marie-Tooth Disease
伊藤 順一
1
Junichi ITO
1
1心身障害児総合医療療育センター整形外科
1Department of Orhopaedic Surgery, National Rehabilitation Center for Children with Disabilities
pp.575-581
発行日 2022年5月25日
Published Date 2022/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202336
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●神経・筋疾患は小児科,神経内科,脳神経外科,整形外科,リハビリテーション科で扱われるが,どの専門科でも本疾患の診断や治療経験のある医師は多くはないのが現実である.
●筋ジストロフィー,潜在性二分脊椎,シャルコー・マリー・トゥース病は乳児例や学童期例などで症状や所見が異なるが,視診,神経所見,画像診断を駆使してその疑いを持って診療することが何より大切になる.
●潜在性二分脊椎は単純X線で読影される無症状成人例が多いが,乳幼児時期では背殿部の正中の皮膚所見,小児期では消化器症状,泌尿器科的症状を聴取することが診断の一助になる.
●脊髄脂肪腫や脊髄係留などの治療に関しては施設間格差があり治療適応もup to dateな領域なので,経験のある施設への紹介が望ましい.
●ギラン・バレー症候群は急性の弛緩性麻痺疾患の鑑別で最も疑うべき疾患であるので,先行感染や薬剤投与歴を聴取して末梢神経麻痺を疑えば,直ちに治療可能な施設への紹介が望ましい.
●自験例であるが,筆者は股関節診療を担当している際に,9歳の股関節違和感を主訴とする症例に出会った.本例は単純X線画像で,臼蓋形成不全と股関節の亜脱臼を診断したが,足部所見や家族歴からシャルコー・マリー・トゥース病を疑い診断に至った.
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