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あとがき
仁木 久照
pp.1098
発行日 2020年9月25日
Published Date 2020/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201808
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新型コロナウイルスの感染予防対策として,4月17日から「アベノマスク(布マスク2枚)」の配布が始まりました.不良品配布に始まり,政府のマスク対策は真夏も終わろうとしている今も迷走しています.他に有効な税金の使い道はいくらでもありそうですが,残念でなりません.
マスクといえば,最近日本人とマスクについて語られる機会が増えました.「どうして日本人はマスクをするのか?」日本が率先してマスクを受け入れた理由は,他人に迷惑をかける人に対して厳しい社会/顔隠し/学校の給食当番/花粉症対策/歯の治療中/口臭がばれないように,など様々です.他に日本人独特の理由を探してみました.外国人はマスクをすると相手の表情がわからないから不安なのだそうです.エレベーターに乗ると,外国ではお互いが会釈したり微笑んだり会話したりします.それは礼儀正しいのではなく,狭い空間にいる相手がまともな人間か,危険がないか確かめたいからだといいます.日本人はお互いを無視して,エレベーターの動く数字をじっと見ます.相手は「社会」に生きている人で,自分とは関係がないから挨拶する必要を感じない.「社会」に生きる知らない人とのコミュニケーションが日本人は苦手なので,マスクをすることでシャットダウンできる利点を感じているかもしれません.
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