整形外科/知ってるつもり
頚椎人工椎間板
吉井 俊貴
1
Toshitaka YOSHII
1
1東京医科歯科大学整形外科学分野
pp.1162-1164
発行日 2019年11月25日
Published Date 2019/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201517
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頚椎前方除圧固定術
頚椎前方除圧固定術は,頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症に伴う神経根症や脊髄症に対する手術術式として広く行われている.頚椎前方除圧固定術は神経ヘルニアや骨棘によって前方から圧迫を受けるような病態に適しており,神経圧迫を取り除いて罹患椎間を固定することで症状改善が得られる.本邦では,頚椎変性疾患に対して椎弓形成術を中心とした後方の手術が主に行われているが,欧米では前方固定術が多く行われている.近年ではこれらの手術手技の改良に加えて,前方プレートや椎体間ケージ,移植材料の開発が進み,さらなる発展を遂げている.
頚椎前方除圧固定術は,安定した症状改善をもたらす一方で,術後の隣接部での障害の問題を有する.固定術の性質上,椎間本来の可動性をなくすことに加え,隣接椎間の負荷を増大させる.Eckら1)による生体力学的研究では,C5/6にプレート固定を行うと,C4/5で73.2%,C6/7で45.3%の椎間板圧が増加し,可動性も増大することを報告している.
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