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あとがき
松本 守雄
pp.436
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201346
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あとがき
近頃三寒四温の天候が続くが,世間でも明るいニュースと暗いニュースが交互に報道されている.はやぶさ2の小惑星リュウグウへの着陸成功,米国と北朝鮮の交渉決裂,新元号への期待,「アポ電」強盗の増加などなどである.「高齢化を背景とした救急出動件数の増加」,「労働人口の高齢化」など社会の高齢化に関するニュースも非常に多い.超高齢社会において社会の持続性を維持するには高齢者の健康寿命延伸が不可欠であり,整形外科医の果たす役割は大きい.
本号の誌上シンポジウムは「超高齢社会における脊椎手術」と題して山田 宏先生にご企画いただいた.脊柱管狭窄症,脊柱変形,骨粗鬆症椎体骨折,転移性腫瘍,外傷など高齢者に多く見られる脊椎疾患に対する手術治療について,本邦の第一人者の先生方が最新の情報を提供してくれている.高齢という理由で脊椎手術がためらわれていた時代から,高齢者のQOL改善に向けて積極的に手術を提供するというパラダイムシフトが起きている.脊椎手術は高齢者のQOLを劇的に改善することが可能であるが,一方で十分な術前保存療法,手術の安全性担保や費用対効果の検証などの観点も重要である.
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