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1838年 世界初の後縦靱帯骨化症の報告論文
松永 俊二
1
,
瀬戸口 啓夫
1
,
小宮 節郎
1
1鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
pp.244-245
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100266
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後縦靱帯骨化症は,骨化した後縦靱帯により脊髄あるいは神経根の圧迫が惹起される厚生労働省の特定疾患であり,本邦では月本の発表1)以来,多くの報告がなされている.後縦靱帯骨化症の世界初の報告は,C. A. Keyが1838年にGuy Hospital Reportに『Paraplegia―depending on disease of the ligaments of the spine』2)として発表したものであるとされている.多くの後縦靱帯骨化症に関係した論文にはこのKeyの論文が引用されているが,それは世界初の報告としての引用に止まり,その内容について詳しく述べた論文はほとんどない.その理由は1838年という160年以上前の論文であり,論文の入手が困難であるためであろう.われわれはケンブリッジ大学に留学している教室員の協力で,このKeyの論文の原著を閲覧する機会を得たので,論文で紹介されている症例がわれわれが日常診療している後縦靱帯骨化症患者に照らし合わせ,どのような位置づけの症例であるのかを検証した.
Keyはこの論文の中で後縦靱帯骨化症ではないかと推察される2症例を報告している.
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