誌上シンポジウム 整形外科疾患における骨代謝マーカーの応用
緒言
遠藤 直人
1
Naoto ENDO
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科機能再建医学講座整形外科分野
pp.1190-1191
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100209
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この誌上シンポジウムは,第53回東日本整形外科学会(会長=荻野利彦山形大学教授)で行われたシンポジウムを誌上に掲載したものである.
現在,運動器疾患の治療と予防に携わる整形外科医は高齢者の健康寿命の延伸,すなわち健康で自立した生活を維持・増進することに力を注いでいる.骨粗鬆症をはじめ,関節リウマチ,脊椎疾患,さらには骨・関節に発生した腫瘍などは疼痛,可動域制限などを来し,ひいてはADL,QOLを低下させ,自立性を喪失,障害する.このような疾患を診断,治療方針を決定,治療効果の評価するうえでX線,MRIなどの画像所見に加え,骨代謝マーカーが実用化されつつある.骨粗鬆症を例にとれば,かつては骨粗鬆症を診断するうえで血液・尿検査では“カルシウム,リン,アルカリフォスファターゼ値など,異常を示さない,むしろ正常範囲内であること”が重要であった.これは鑑別診断として有用ではあったが,骨粗鬆症そのものの病態,あるいは治療方針決定,薬剤の効果判定に応用できるものではなかった.
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