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特集 上位頚椎疾患―その病態と治療(第23回日本脊椎外科学会より)
環軸椎後方wiring固定術の固定力に関する臨床的検討―90例の術後成績からみた本法の適応と限界
A Clinical Study on the Stability of Atlanto-axial Arthrodesis with Posterior Wiring : A Review of 90 Cases
戸山 芳昭
1
,
西脇 祐司
1
,
鈴木 信正
1
,
藤村 祥一
1
,
平林 洌
2
Yoshiaki Toyama
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
2慶應義塾看護短期大学
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University.
キーワード:
環軸関節亜脱臼
,
atlanto-axial subluxation
,
慢性関節リウマチ
,
rheumatoid arthritis
,
歯突起骨
,
os odontoideum
,
脊椎後方固定術
,
posterior spinal fusion
,
固定性
,
stability
Keyword:
環軸関節亜脱臼
,
atlanto-axial subluxation
,
慢性関節リウマチ
,
rheumatoid arthritis
,
歯突起骨
,
os odontoideum
,
脊椎後方固定術
,
posterior spinal fusion
,
固定性
,
stability
pp.473-481
発行日 1995年4月25日
Published Date 1995/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901611
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抄録:環軸関節亜脱臼や不安定症に対して環軸椎間後方wiring固定術を施行した90例を歯突起の病態から2群に分け,骨癒合率・整復状態・整復位損失の有無・骨癒合状態(整復位ないし亜脱臼位)についてX線的検討を行い,本法の固定力に関する問題点を臨床面から明らかにした.対象A群は歯突起に支持性のある56例,B群は歯突起が消失ないし分離,骨折している34例で,手術法にはMcGraw法68例,Brooks法22例を施行した.骨癒合率は88%と臨床的には比較的良好な結果を得たものの,2mm以上の整復位損失を22%に認めた.歯突起に支持性のあるA群で整復位に固定出来ればwiring固定法でも問題は少ないが,整復不十分な亜脱臼位固定例では矯正損失や偽関節の発生率が高く,外固定を厳重に行う必要がある.歯突起に支持性のないB群にはwiring固定法,特にMcGraw法の適応はなく,Magerl法などより強固な固定力を有する手術法を選択すべきである.
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