シリーズ 早期癌を見直す・1【新連載】 早期胃癌・1
早期胃癌の病理学的問題点—癌深達度と癌組織型
中村 恭一
1
,
三上 哲夫
1
,
迫間 隆昭
1
Kyoichi NAKAMURA
1
1東京医科歯科大学第1病理
pp.499-504
発行日 1995年4月20日
Published Date 1995/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905191
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はじめに
現在,早期胃癌は日常の診療において多く発見され治療され,その治療後の予後も極めて良好であり,早期胃癌は不治の病ではなく完全治癒の確率の高い癌であることは人口に膾炙されている.
この早期胃癌がどのようにして定義されたかというと,それは粘膜内癌そして粘膜下組織浸潤癌の発見が少なかった時代に,術後の予後良好な癌ということを前提としてなされた.すなわち,早期胃癌は「リンパ節転移の有無とは無関係に,癌深達度が粘膜下組織までの癌」と定義された.その早期癌の術後5年生存率は約85〜95%であり,現在においても早期癌の定義についてはあまり問題はないものと思われる.
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