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特集 胃癌治療ガイドラインの検証
迷走神経温存胃切除術は術後のQOLを向上させるか?
Can preserving the vagus nerve improve QOL of post gastrectomy?
二村 浩史
1
,
高山 澄夫
1
Hiroshi NIMURA
1
1東京慈恵会医科大学外科
キーワード:
早期胃癌
,
QOL
,
迷走神経温存胃切除術
Keyword:
早期胃癌
,
QOL
,
迷走神経温存胃切除術
pp.1651-1655
発行日 2002年12月20日
Published Date 2002/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905079
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幽門側胃切除では迷走神経を温存することで術後下痢の発生を有意に予防でき,BMIからみた体重減少を有意に抑えることができた.しかし,食事摂取,就労状況,気持といった患者の満足度の面からはQOLが有意に向上したとは言えなかった.術後胆石症の発生は単に神経を残すだけでは予防できない.神経温存幽門保存胃切除症例に胆石の発生を認めなかったことから,術後胆石予防には迷走神経肝枝・腹腔枝に加えて幽門枝や幽門輪の機能温存がかかわっていると考えられた.QOLの向上が明確にされるまでは適応はD1+αでよい症例に限るべきであろう.
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