Japanese
English
米国でのProblem-Based Learning形式による外科研修
Problem-Based Conference(11)—Controversyとプロトコール:乳癌の治療(その1)
Problem-based conference (11) Controversy and protocol: Management of breast cancer (part 1)
町 淳二
1
,
児島 邦明
2
Junji Machi
1
,
Kuniaki Kojima
2
1ハワイ大学医学部外科
2順天堂大学医学部第2外科
1Department of Surgery, University of Hawaii
キーワード:
problem-based conference
,
controversy
,
乳腺腫瘤
,
乳癌
,
乳癌手術
Keyword:
problem-based conference
,
controversy
,
乳腺腫瘤
,
乳癌
,
乳癌手術
pp.1271-1282
発行日 2002年9月20日
Published Date 2002/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904976
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1 はじめに
前回は重症多発外傷の症例を取り上げて,スタンダードケアについてディスカッションしましたが,その際にcontroversyについても触れました.Evidenceに基づいてスタンダードとして確立している診断法や治療法に対して,種々のevidenceによっても確立されていない事柄や問題点をcontroversyと呼ぶことができます.すなわち,1つのコンセンサスとして意見が統一しておらず,まだ議論の余地のある(controversial)診断法や治療法などです.このような問題点に対しては,さらに新たなevidenceを追求すべく,臨床試験(clinical trial)が施行されることになります.この臨床試験を立案し,出来上がった試験方法・手順をプロトコール(trial protocol)と呼びます.前回も述べたとおり,新しいevidenceの発見によって,スタンダードはときとともに変わっていく可能性がありますし,逆にいえばcontroversyも同様に変わっていくことになります.
したがって,医学生や研修医の教育・指導に当たっては,指導医はこのスタンダードとcontro—versyを常に明確にし,そのためには新しいevi—denceやコンセンサスに常に注意を払っておく必要があります.
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