私の工夫—手術・処置・手順
急性虫垂炎手術においてラッププロテクターミニ®を用いる方法
田中 仁
1
,
岩川 和秀
1
,
岡田 憲三
1
,
梶原 伸介
1
Hitoshi TANAKA
1
1市立宇和島病院外科
pp.980-981
発行日 2002年7月20日
Published Date 2002/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904930
- 有料閲覧
- 文献概要
鏡視下手術の普及とともに創部の展開,創感染予防の目的からラッププロテクター®(八光商事製)が用いられるようになってきた1).本製品はフレキシブルリングとラテックス膜の張力により,創が全周性に均等かつ適度に展開され,また創縁の感染防止にも有効である.本製品のメリットを考えると,われわれが日常よく遭遇する急性虫垂炎の手術時にこそラッププロテクター®が有効であると考えたが,創の大きさが約3〜4cmと小さくこれを用いることができなかった.そこで筆者らはこの縮小版としてラッププロテクターミニ®を考案し(現在八光商事より製品化された)使用したところ,2cm以上の創があれば装着でき,装着手技も簡単で術中操作にも非常に有効であった.
一般的に急性虫垂炎の手術は,術者と前立ちの2人で行われることが多い.まず創の展開を前立ちが行う必要があり,これに難渋した場合はあとは術者1人の操作となる.症例によっては腹腔内の大網および小腸の圧排,虫垂の剥離,授動に難渋する例も多く,これに大部分の労力が費やされてしまうこともしばしばである.そこでラッププロテクターミニ®を用いて創の展開が行われると,腹腔内操作が2人で行え,術中の各操作を効率よく進めることができる.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.