病気のはなし
急性虫垂炎
加藤 英治
1
1福井県済生会病院小児科
pp.382-387
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103521
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サマリー
急性虫垂炎は外科的な急性腹症で緊急手術になることが最も多い疾患である.穿孔すると限局性腹腔内膿瘍や汎発性腹膜炎を合併し,術後合併症の発生率も高くなるので,穿孔前に診断治療することが極めて重要である.しかし,小児,妊婦,高齢者では特に診断が困難で,穿孔を起こしてから診断される症例も多い.右下腹部痛を訴える患者では急性虫垂炎を疑って診断を進めるべきで,右下腹部の圧痛,Blumberg徴候や筋性防御などの腹膜刺激症状を認めれば急性虫垂炎の可能性が高い.確定診断には超音波検査やCT検査が有用である.病型により治療方針を決定し,治療のオプションは抗菌薬による保存的治療,開腹虫垂切除術,腹腔鏡下虫垂切除術,interval appendectomyである.
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