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特集 肝切除術のコツ
手術
左肝静脈の剥離のコツ
Knack and pitfalls in dissecting the left hepatic vein
浅原 利正
1
,
板本 敏行
1
Toshimasa ASAHARA
1
1広島大学医学部第2外科
キーワード:
左肝静脈
,
肝切除
Keyword:
左肝静脈
,
肝切除
pp.621-622
発行日 2002年5月20日
Published Date 2002/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904854
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- Abstract 文献概要
はじめに
肝切除における左肝静脈へのアプローチには,①肝離断前に,中・左肝静脈共通幹あるいは左肝静脈を肝外で剥離,テーピング,②肝離断の最終段階において左肝静脈を肝実質内で剥離,テーピング,の2通りがある.
左肝静脈は,中肝静脈と共通幹を形成するか,または単独で下大静脈に流入する.この中・左肝静脈合流部の形態は,Nakamuraら1)によって5型に分類されている.中・左肝静脈が共通幹を形成して下大静脈に流入するⅠ〜Ⅳ型は84%にみられる.I型は下大静脈から1cm以内に分岐を持たないもの,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ型はそれぞれ1cm以内に2,3,4分岐するものである。中肝静脈と左肝静脈が独立して下大静脈に流入するⅤ型は16%にみられる.これら5型はさらにいくつかの亜型に分類され,その分岐形態は多様であることをまず認識しておくべきである.
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