文学漫歩
—石川達三(著)—『四十八歳の抵抗』(1958年,新潮社 刊)
山中 英治
1
Hideharu YAMANAKA
1
1市立岸和田市民病院外科
pp.482
発行日 2002年4月20日
Published Date 2002/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904828
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駅でJRのフルムーンパスのポスターが眼にとまった.かつて上原謙と高峰三枝子が夫婦役での混浴(群馬の法師温泉だった)のポスターで話題となり,フルムーンは流行語にもなった.夫婦の年齢を足して88歳から利用できると書いてある.関係ないなと思っていたら自分も44歳で,もうすぐ利用できる.
白髪が増えて老視も出てきた.救急当直明けに外来をしてから手術に入る日程だと,その晩は死んだように眠ってしまうので,やはり体力の衰えは隠せない.身体もたるんで,「郷ひろみ」のように素肌にジャケットを着ることなどとてもできない.無論はなから勝負にならないが,負け惜しみを言わせてもらえば,加齢に逆らって若作りするのもかえって見苦しいと思う.
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