Japanese
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特集 食道癌治療におけるcontroversy
胸部食道癌に対する胸腔鏡下食道切除術の利点と問題点
Thoracoscopic esophagectomy for esophageal cancer
大杉 治司
1
,
竹村 雅至
1
,
木下 博明
1
Harushi OSUGI
1
1大阪市立大学大学院消化器外科
キーワード:
胸腔鏡下食道切除術
,
小開胸胸部食道癌
Keyword:
胸腔鏡下食道切除術
,
小開胸胸部食道癌
pp.173-176
発行日 2002年2月20日
Published Date 2002/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904772
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当科では胸腔鏡下食道切除術の適応を術前の胸部X線写真やCT像などで強度の胸膜癒着がない,左右肺分離換気で麻酔維持が可能,術前診断で深達度がT1b〜T3である症例としており,低肺機能の症例には適応していない.また5cmの小開胸を併用し,この創部から筆者らが独自に作製した気管鉤を挿入し,気管を腹側に圧排することにより気管左側を展開し,左反回神経周囲のリンパ節郭清を行っている.本手術の利点として術後の呼吸機能の回復が早いことや胸部創が小さく,疼痛が少なく,美容上有利であることがあげられるが,根治性と手術侵襲の面からみると従来の右開胸下の術式と同程度である.本術式が標準術式の1つとして広く認められるためには,リンパ節郭清とくに気管左側を含む頸胸境界部の郭清が従来の術式と同様に行えていることが必要条件である.
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