Japanese
English
米国でのProblem-Based Learning形式による外科研修
Problem-Based Conference(3)—問題点に焦点を絞った鑑別診断と診断法—急性上腹部痛(その1)
Surgical training based on the problem-based learning system in the United States:Problem-based conference (3) Problem-focused approach for differential diagnosis:Acute upper abdominal pain (part 1)
町 淳二
1
,
児島 邦明
2
Junji Machi
1
,
Kuniaki Kojima
2
1ハワイ大学医学部外科
2順天堂大学医学部第2外科
1Department of Surgery, University of Hawaii at Manoa
キーワード:
problem-based conference
,
鑑別診断
,
急性上腹部痛
,
病歴
,
理学所見
Keyword:
problem-based conference
,
鑑別診断
,
急性上腹部痛
,
病歴
,
理学所見
pp.83-95
発行日 2002年1月20日
Published Date 2002/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904758
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1 はじめに
前回のカンファレンスでは,「病歴と理学所見のとり方」と題してディスカッションを行いました.そこでは「頸部腫瘤」という問題点を呈示しながらも,主としてより完全な病歴,そして理学所見のとり方について話を進めました.したがって,主訴となった問題点以外についても,病歴と理学所見についてかなり広い範囲にわたりディスカッションを展開しました.このような細かな病歴と理学所見のとり方は,一般のproblem-based con-ferenceにおいてはむしろ稀であり,通常は問題点に,より焦点を絞ったディスカッション,すなわちproblem-focusedな質疑応答がなされるのがふつうです.今回はそのようなproblem-focusedなディスカッションや質疑応答を行うために,急性腹症としての急性上腹部痛の症例を呈示したいと思います.
主訴からはじまり,病歴と理学所見,そして検査に基づいた診断面でのディスカッションに重点を置き,治療面に関しては必要最小限の質疑応答にとどめます(注1),今回も医学生と研修医の双方を対象としてよいカンファレンスです.
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