特集 画像で決める癌手術の切除範囲—典型症例総覧
Ⅵ.肝癌
肝細胞癌に対する右3区域切除術
大坪 毅人
1
,
高崎 健
1
,
吉利 賢治
1
Takehito OTSUBO
1
1東京女子医科大学附属消化器病センター外科
pp.215-219
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904656
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はじめに
「原発性肝癌取扱い規約」(第4版)では,肝は5つの区域(外側区域,内側区域,前区域,後区域,尾状葉)に分類され,右3区域切除は後区域,前区域,内側区域を切除する術式で,Hr3(P,A,M)と記載される1).ここで注意すべき点は同じHr3であっても右3区域切除と左3区域切除では切除量が異なることである.
高崎2)のグリソン鞘の分岐に従った区域分けでは,尾状領域を除く肝は右区域,中区域,左区域の3本の区域枝(グリソン鞘2次分枝)それぞれの分布する区域に分けられる.右3区域切除では右区域枝および中区域枝と左区域枝のうち内側に分岐する何本かの3次分枝を切断する切除で,正常肝では肝の約75%前後の切除である(図1).左3区域切除では左区域枝と中区域枝を切断する切除で,正常肝では肝の約60%前後の切除となる3,4).
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