目で見る外科標準術式・13
幽門側胃切除空腸pouch間置術
帆北 修一
1
,
愛甲 孝
1
,
石神 純也
1
,
夏越 祥次
1
,
馬場 政道
1
,
高尾 尊身
1
Shuichi HOKITA
1
1鹿児島大学医学部第1外科
pp.86-92
発行日 2001年1月20日
Published Date 2001/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904353
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はじめに
幽門側胃切除後の術後障害や愁訴は胃切除術後のquality of lifeの面から注目を集めている.術後愁訴は術後のQOL,手術に対する満足度に大きく結びつくものであり,われわれ外科医に課せられた解決すべき重要な問題でもある.これまでにも各種の再建術式の工夫が幽門側胃切除後の症例に対し試みられ,その1つとして二重腸管を用いたpouchによる代用胃作製が提唱された1,2)が,手術術式が複雑であったことや,QOLや栄養学的な面でどのように評価するか科学的な指標がなかったこともあり,広く普及するには至らなかった.近年,自動吻合器の進歩・普及に伴い手技上の煩雑さが軽減されたこともあり,再び代用胃としてのpouch作製の気運が高まってきている3〜6).そこで胃癌手術後患者のQOLの向上を目的として,現在教室で行っている残胃と十二指腸との間にpouchを形成した空腸を間置する再建術式7)について述べる.
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