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重粒子線治療の現状と将来展望
山田 滋
1
,
辻井 博彦
1
,
宮本 忠昭
1
,
鎌田 正
1
,
加藤 博敏
1
,
辻 比呂志
1
,
溝江 純悦
1
,
高山 亘
2
,
神津 照雄
3
Shigeru YAMADA
1
1放射線医学総合研究所重粒子線治療センター
2千葉大学医学部第2外科
3千葉大学医学部光学医療診療部
pp.735-741
発行日 2000年6月20日
Published Date 2000/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904130
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重粒子線の特徴
1.重粒子線とは
図1は治療用に用いられている放射線を分類したものである.重粒子とは一般的に電子より重い粒子のことをいい,これを高速に加速したものは重粒子線と呼ばれる.これはさらに非荷電粒子線と荷電粒子線に分けられる.荷電粒子線はさらに陽子線,重イオン線,パイ中間子線の3つに分けられる.重イオン線は狭い意味で重粒子線と呼ばれることもある.重イオン線やパイ中間子線,中性子線は軌道に与える電離密度が高いので高LET線と称し,後述する生物学的効果が大きいという特徴を持つ.これに対し陽子線,電子線,光子線(X線,γ線など)は低LET線と呼ばれ,生物学的効果は小さい.重粒子線は,①線量分布が優れている,②生物学的効果が高いという2つの大きな特徴を有する1).
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