特集 急性期包括払い方式の可能性
日本に診断群別包括支払い方式(DRG/PPS)はなじむのか
川渕 孝一
1
1日本福祉大学経済学部
pp.594-602
発行日 1998年7月1日
Published Date 1998/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902446
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変革が求められる日本の診療報酬体系
わが国の診療報酬体系が全国一律の公定価格となっていることによる長所は大きい.しかしその一方で,弊害が生じていることも否めない.具体的には,現行の診療報酬体系がもたらしている弊害として次の2点が考えられる.
まず第1は,原価主義からの乖離という現象が起こっている.一般に診療報酬体系には,①「医療費の分配表」と,②「医療サービスの価格表」という二つの性格が存すると考えるが,わが国の診療報酬は前者ばかりが強調されたために,現行の診療報酬が診療原価からずいぶん乖離したものになっているのである.しかし,ここで留意すべきは何を真実の原価(適正な原価)とするかである.
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