特集 急性期包括払い方式の可能性
診断群別包括支払い方式(DRG/PPS)の実施を阻むもの
池田 俊也
1
,
池上 直己
1
1慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室
pp.608-613
発行日 1998年7月1日
Published Date 1998/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902448
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現在,診断群別包括支払い方式(diagnosis related groups/prospec-tive payment system,以下DRG/PPSと略)という急性期入院医療についての新しい支払い方式が注目を集めている.1997年8月に示された与党医療保険制度改革協議会「21世紀の国民医療—良質な医療と皆保険制度への指針」においても,DRG/PPSについて「基礎調査を進め,その導入を検討する」ことが示されている.しかしながら,わが国ではDRGという言葉が先行し,その中に関係者の思い入れが入り,必ずしも正しい姿が伝わっていないように思われる.DRG/PPSの導入を検討するに当たっては,まずDRGとは何かという点について正しく理解する必要がある.
そこで本稿では,まずDRGとは何か,具体的に疾病を分類していくにはどうしたらいいか,について述べる.次に,実際にDRGを日本で導入するための条件としてはどんなことを整備する必要があるか,その際の課題は何か,について述べることとする.
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