特集 薬物療法マニュアル
Ⅲ.周術期の薬物療法
3.機能性病変手術
特発性血小板減少性紫斑病
月川 賢
1
,
窪田 倭
1
Satoshi TSUKIKAWA
1
1聖マリアンナ医科大学消化器外科
pp.205-206
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903827
- 有料閲覧
- 文献概要
基本的な事項
特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombo-cytopenic purpura:ITP)は,明らかな原因や基礎疾患がないにもかかわらず血小板破壊が亢進し,出血症状を呈する原因不明の疾患である.最近では抗血小板抗体(PAIgGあるいは抗GP Ⅱ b/Ⅲ a抗体,抗GP Ⅰ抗体)が産生されるために起こる自己免疫疾患と考えられている.臨床経過から急性型と慢性型に分けられる.小児に多くみられる急性型は6か月以内に自然寛解することが多いのに対して,慢性型は成人女性に好発し,自然寛解はほとんどない.急性期は副腎皮質ステロイドの投与が行われる.ステロイドに抵抗性のある場合は脾摘が行われ,50〜60%の症例に完全寛解が得られる1).
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.