今月の主題 出血傾向の新知識
知っておきたい出血性素因
特発性血小板減少性紫斑病
安永 幸二郎
1
1京大第1内科
pp.920-922
発行日 1975年5月10日
Published Date 1975/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206036
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特発性血小板減少性紫斑病(Idiopathic thrombocytopenic purpura:ITP)の本態はなお十分に明らかでなく,治療に関しても決定的なものがないために,厚生省のいわゆる難病に指定されている.本症は急性型と慢性型に分けられる.急性ITPは小児,とくに2〜6歳に多くみられ,成人には少なく,男女に発生頻度の差はない.そのほとんどは数週間ないし2,3カ月の経過をとって完治する.問題なのは慢性ITPであって,数年の経過をとりつつ,その間,軽快,増悪をくり返すもので,各年齢層にみられるが,発生は20歳前後に多く,とくに女性が多い(男女比は1:3).
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