消化器疾患の総合画像診断
胃癌の腹膜転移
山村 義孝
1
,
小寺 泰弘
1
,
清水 泰博
1
,
鳥井 彰人
1
,
平井 孝
1
,
安井 健三
1
,
森本 剛史
1
,
加藤 知行
1
Yoshitaka YAMAMURA
1
1愛知県がんセンター消化器外科
pp.1209-1214
発行日 1999年9月20日
Published Date 1999/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903726
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はじめに
進行胃癌にとって腹膜転移は最もよく見られる転移形式であり,手術の根治性を妨げる最大の要因である.しかし,その術前診断は困難なことが多く,開腹して初めて診断される例も珍しくない.腹膜転移を術前に知ることができれば手術の方針も立てやすいし,不必要な手術そのものを中止することができ,医療側のみならず患者にとってもメリットは大きいと思われる.そのため最近では術前に腹腔鏡検査を行う施設が増えつつあるが,腹腔鏡検査といえども腹膜転移をすべて診断できるわけではなく,患者に与える侵襲も小さいとは言えない.そこで本稿では,腹腔鏡検査よりは精度が落ちるかも知れないが,はるかに侵襲が小さい注腸X線透視の有用性について述べることとする.
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