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特集 切除標本取扱いガイドライン—癌取扱い規約に基づいた正しい取扱い法と肉眼所見の記載法
膵癌切除標本の取扱い(2)
Guide to the examination of the surgical specimen for pancreatic tumors
浅沼 義博
1
,
南條 博
2
,
古屋 智規
1
,
佐藤 勤
1
,
小山 研二
1
Yoshihiro ASANUMA
1
1秋田大学医学部第1外科
2秋田大学医学部第2病理
キーワード:
膵頭十二指腸切除
,
膵嚢胞腺腫
,
膵管内乳頭腺腫
Keyword:
膵頭十二指腸切除
,
膵嚢胞腺腫
,
膵管内乳頭腺腫
pp.641-644
発行日 1999年5月20日
Published Date 1999/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903613
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膵切除材料取扱いの原則
膵は内在する膵酵素によって自己融解をおこしやすい.しかも膵頭十二指腸切除などでは摘出に長時間を要するので,摘出後に新鮮標本を室温に放置することは避けなければならない.また固定法は,灌流固定が最も効果的であり,動脈や膵管,胆管から10%ホルマリン液を各20〜50ml注入した後に10%ホルマリン液に浸潰し3〜6日間固定する.
また,最近の画像診断の進歩と普及により無症候性膵腫瘍の診断が可能となり,小さい,予後の比較的良好な膵腫瘍が切除されるようになった.それに伴って,1993年(第4版)の膵癌取扱い規約1)では,肉眼的分類でも嚢胞型および膵管拡張型の2型が新たに加えられた.これらは組織型分類では主に粘液性嚢胞腫瘍あるいは膵管内腫瘍ともいわれるものであり,いずれもその発生において膵管上皮と深くかかわっている.したがってこのような症例の膵切除標本では,膵管系の十分な固定に留意し,異型上皮の進展範囲をよく観察することが重要である.
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