Japanese
English
特集 急性腹膜炎—病態と治療の最前線
Ⅱ.治療法の選択とタイミング
6.血液浄化療法の適応と限界
Indication and limitation of blood purification therapy for acute peritonitis
浅沼 義博
1
,
古屋 智規
1
,
佐藤 勤
1
,
黒澤 伸
2
,
稲葉 英夫
2
,
小山 研二
1
Yoshihiro ASANUMA
1
1秋田大学医学部第1外科
2秋田大学医学部救急医学講座
キーワード:
血液浄化療法
,
急性腹膜炎
,
エンドトキシン血症
,
高サイトカイン血症
Keyword:
血液浄化療法
,
急性腹膜炎
,
エンドトキシン血症
,
高サイトカイン血症
pp.1147-1153
発行日 1998年9月20日
Published Date 1998/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903276
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急性腹膜炎の治療の原則は,感染源の外科的除去,抗生物質の投与,術後の心肺機能の十分なモニタリングである.この治療方針のなかで血液浄化療法の果たす役割は,不全臓器を補助し,生命維持と臓器の再生をはかり,さらに病原因子であるエンドトキシン(Et)や炎症性サイトカインなどを除去して,臓器不全の発生,進展を予防することである.CHF,CHDFは,血中IL-6,IL-8,顆粒球エラスターゼを低下させ,心肺機能を改善する.また,ポリミキシンB固定化ファイバーによるEt除去療法は,SIRS指標を改善し,救命率の向上が期待できる.しかし,重症例ではその効果は少なく,APACHE Ⅱ scoreが20点以下の,より早期に適用すべきである.
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