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特集 肝癌治療のupdate
Ⅲ.肝細胞癌外科治療の展開
3.肝細胞癌切除後再発例の治療戦略
Strategy for recurrent hepatocellular carcinoma
佐野 圭二
1
,
高山 忠利
1
,
幕内 雅敏
1
Keiji SANO
1
1東京大学医学部肝胆膵外科
キーワード:
肝内転移
,
多中心性発癌
,
系統的亜区域切除
Keyword:
肝内転移
,
多中心性発癌
,
系統的亜区域切除
pp.1453-1456
発行日 1998年11月20日
Published Date 1998/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903441
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肝細胞癌は治癒切除後も高率に再発する.その理由は,肝細胞癌が門脈侵襲を伴い経門脈的散布により肝内転移を起こすためと,切除後残肝も発癌の準備段階にあり新たな発癌(多中心性発癌)を起こすためである.肝切除術後再発に対して,肝内転移再発か多中心性発癌再発かを診断し,より適切な治療法を選択することが重要である.肝動脈塞栓療法(TAE)は,切除・PEI適応外の全肝多発症例に残された唯一有効な治療法であり,施行可能回数も限られているので安易に施行しない.肝内再発の進展とその治療は,肝不全という最終的結末の直接的・間接的な原因となりうるので,再発治療においても癌細胞の可及的除去と肝機能保持のバランスを十分考えた治療戦略を立てるべきである.
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