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特集 胃癌術後補助化学療法をめぐって
比較試験による胃癌術後補助化学療法の評価—JCOG胃がん外科グループによる臨床試験
Evaluation of clinical trials on adjuvant chemotherapy for curatively resected gastric cancer with a special reference to JCOG clinical trial
北村 正次
1
,
荒井 邦佳
1
,
岩崎 善毅
1
Masatsugu KITAMURA
1
1東京都立駒込病院外科
キーワード:
術後補助化学療法
,
胃癌
,
比較試験
Keyword:
術後補助化学療法
,
胃癌
,
比較試験
pp.1261-1269
発行日 1998年10月20日
Published Date 1998/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903297
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欧米および日本における胃癌術後の補助化学療法の臨床試験の結果をレビューするとともに,JCOG胃がん外科グループが施行してきた臨床試験を紹介した.欧米における補助化学療法の研究では有効性を示したものはきわめて少なく否定的である.日本の臨床試験では全体では補助化学療法群に有意差を持った有用性は示されなかったが,層別解析において手術単独より優る結果がみられた.これらの結果を背景に化学療法同士の比較試験が行われてきたが,最近になり手術単独群と比較し,その有用性を再評価すべきであるとの認識が出てきた.現在,JCOGの臨床試験では,補助化学療法群と手術単独群の比較を行っており,さらにN・SAS-GCでは現在,使用量の最も多いUFTの有効性を手術単独群と比較するトライアルが大規模に行われている.今後,胃癌の治癒切除後の補助化学療法の臨床試験は,手術単独群を対象として統計学的な根拠に基づいたsample sizeの設定,適切な対象症例,手術のquality control,ICH・GCPにのっとったプロトコール作成と厳重なデータ管理などが整ってはじめて評価に耐え得る成績が出て来るものと考えられる.
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