Japanese
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特集 急性腹膜炎—病態と治療の最前線
Ⅱ.治療法の選択とタイミング
1.SIRSの評価と治療法
Peritonitis and SIRS
井上 知巳
1
,
齋藤 英昭
2
Tomomi INOUE
1
1東京大学医学部第1外科
2東京大学医学部手術部
キーワード:
急性腹膜炎
,
全身性炎症反応症侯群
,
APACHE Ⅱ
Keyword:
急性腹膜炎
,
全身性炎症反応症侯群
,
APACHE Ⅱ
pp.1119-1124
発行日 1998年9月20日
Published Date 1998/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903271
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急性腹膜炎治療の原則は,適切な対策による腹腔内感染の終結と臓器不全の予防である.急性腹膜炎の早期発見や治療法の選択,予後予測には重症度評価が必要となる.そして急性腹膜炎に伴う全身炎症反応の程度を,簡易な臨床観察項目で定義したのがSIRSである.しかし現状のSIRSの定義では,その評価が急性腹膜炎の重症度を明確に反映するとは言い難い.このため,SIRSの病態をより詳細に評価する方法,すなわちAPACHE Ⅱスコアや血中メディエータ濃度評価が用いられる.急性腹膜炎治療では,外科的治療や抗菌療法に加え,栄養管理や重要臓器機能のサポート,メディエータ対策が重要である.その際,全身の炎症性・抗炎症性メディエータのバランスを保ち,腹腔局所の炎症性メディエータを重視した対策が必要となる.
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