私の工夫—手術・処置・手順・37
粘膜剥離子を使用した肝門部処理
小西 靖彦
1
Yasuhiko KONISHI
1
1大阪府済生会泉尾病院外科
pp.1443
発行日 1997年11月20日
Published Date 1997/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903032
- 有料閲覧
- 文献概要
肝手術においては,肝門部で血管処理を行い,出血をコントロールして行われる,一般には「グリソンー括」と呼ばれる手技が用いられることが多い.この手技は簡便であるが,肝実質をすくう際に少なからず出血することや,一括クランプでは十分な阻血を得られないことがある.とくに硬変肝では肝門部が深く,出血とともに思わぬ分枝をひっかけることを経験する.
①出血させず,②リンパ管などの他の構造物を破壊せず,③手術を遅滞させることがないという条件のもとに,胆管・動脈・門脈の3系統をそれぞれテーピングできることが理想である.このために筆者は次のように粘膜剥離子(図1)を使用している.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.