特集 画像で決める癌手術の切除範囲—典型症例総覧
Ⅶ.胆管癌・胆嚢癌
肝門部胆管癌に対する肝門部切除術
安藤 秀明
1
,
伊勢 憲人
1
,
安井 應紀
1
,
柴田 聡
1
,
佐藤 勤
1
,
小山 研二
1
Hideaki ANDO
1
1秋田大学医学部第1外科
pp.230-234
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904659
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はじめに
肝門部胆管癌はその解剖学的特性から根治切除率が少なく治療に難渋する場合が多い.近年,肝切除を併用した拡大切除により切除率は向上してきている.癌治療の基本として,根治切除なくして治癒はありえないが,肝門部胆管癌では根治切除を目指した場合は手術侵襲が過大となり予後不良になる場合もある.高度進行胆管癌では,根治切除のため肝移植を行った報告もあるが,その予後は不良であった.したがって,肝門部胆管癌では,ただ癌の根治切除を目指した拡大手術を行うのではなくその進行度に応じた適切な手術を行うことが必要である1).
当科では,肝門部胆管癌の基本術式として肝門部切除を行い,一側胆管切離縁にのみ癌遺残のある場合に肝切除を付加するという治療方針にしている.胆管癌進展は最終的に術中迅速診断で決定している.本稿では術前画像診断所見と手術所見での癌進展の実際を提示し,肝門部胆管癌の治療方針の考え方を示す.
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