膜の解剖からみた消化器一般外科手術・8
直腸癌根治術・骨盤内の解剖
金谷 誠一郎
1
1国立姫路病院外科
pp.1329-1340
発行日 1997年10月20日
Published Date 1997/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902870
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はじめに
結腸癌に続けて,今回からは直腸癌に対する手術の解説を行う.直腸は骨盤内に存在し,血流支配や隣接臓器との関係など,結腸とは異なる部分が多い.そのためか,多くの解剖書・手術書では,局所解剖に重点が置かれ,他とのつながりあるいは系統だった見方に欠けるきらいがある.しかし,骨盤内においても,腹膜下筋膜を中心とする膜の構造は保たれている.したがって,腹膜下筋膜を中心とする膜の構造と,その内部での血管系・リンパ系・神経系の走行を理解すれば,直腸癌に対する手術も,その基本はこれまでに学んだ結腸癌に対する手術と何ら変わるところはない.
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