カラーグラフ 内視鏡下外科手術の最前線・34
肝・胆・膵・脾
腹腔鏡下胆嚢摘出術(気腹法)
黒川 良望
1
,
安藤 健二郎
1
,
赤石 隆
1
,
中川 昭彦
1
,
里見 進
1
Yoshimochi KUROKAWA
1
1東北大学医学部第2外科
pp.1247-1254
発行日 1997年10月20日
Published Date 1997/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902854
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
内視鏡下外科手術研究会のアンケート調査結果1)によると,1990年4月にわが国に導入された腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下,ラパ胆)は,同年末までに16施設で151症例に施行され,翌1991年には,さらに149施設が加わり4,438症例に実施された.1992年4月には内視鏡手術としていち早く,また唯一保険収載され,社会的にも認知された術式として広く普及し,1994年10月までに40,850例の集計がなされている.これらの施設では,ラパ胆導入後同時期の開腹胆嚢摘出術は11,728例であることから,全胆嚢摘出術の実に78%がラパ胆であったことになる.
筆者らは1990年10月に導入し,術後の観察を通じて,患者にとって利点の多い手術であることを実感し,また応用範囲も広いことから,多くの一般外科医が修得すべき手技であると判断して,東北大学医学部第2外科関連病院への普及を積極的に進めた.一方,従来の手術手技と異なる全く新しい操作・感覚を必要とするため,その修得には熟練の外科医であっても適切なトレーニングが必要と考え,独立した術者となるための基準(表1)を設けて,手技の普及・習熟に努めた.その結果1991年に13施設91例,1992年に31施設473例,1994年には全関連病院45施設で1,248例,全胆嚢摘出術の55%,1996年には1,624例68%となった.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.