特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
13.内視鏡下外科手術
腹腔鏡下胆嚢摘出術
来見 良誠
1
,
花澤 一芳
1
,
江口 豊
1
,
仲 成幸
1
,
岸田 明博
1
,
谷 徹
1
,
柴田 純祐
1
,
小玉 正智
1
1滋賀医科大学第1外科
pp.255-261
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902488
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侵襲の少ない胆嚢摘出術として腹腔鏡下胆嚢摘出術は爆発的に普及し,現在では標準術式の一つとなってきている.術式導入初期は,内視鏡的逆行性胆道造影を含む比較的侵襲の大きな検査をも術前検査の必須項目と考えていたが,徐々に簡略化され,最近では腹腔鏡下外科手術手技の向上により開腹胆嚢摘出術と同程度の術前検査で十分であるとの風潮になってきている.しかしながら,過去のアンケート結果にも示されるとおり,胆嚢管の誤認による胆管損傷が少なからず認められている.難易度の高い症例への適応拡大による可能性も考えられるが,術前の胆道の精査により回避されるものまで含まれていることも否定できない.術前検査としての胆道精査の重要性とヘリカルCTによる胆道の立体画像の有用性について述べるとともに,腹腔鏡下胆嚢摘出術における術前管理の実際について解説する.
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