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特集 甲状腺と上皮小体の外科—最近の進歩
遺伝性髄様癌におけるRET遺伝子検索
Mutation analysis of the RET proto-oncogene in patients with inherited medullary thyroid carcinoma
北村 裕
1
,
清水 一雄
1
,
田中 茂夫
1
Yutaka KITAMURA
1
1日本医科大学第2外科
キーワード:
甲状腺髄様癌
,
多内分泌腺腫症2型
,
RET遺伝子
Keyword:
甲状腺髄様癌
,
多内分泌腺腫症2型
,
RET遺伝子
pp.1137-1142
発行日 1997年9月20日
Published Date 1997/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902834
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遺伝性甲状腺髄様癌は常染色体優性遺伝形式を示すMEN2A, NEN2BおよびFMTCに分類される.遺伝性髄様癌診療の中心的問題である家系内保因者のスクリーニングは,従来calcitonin誘発試験により行われてきたが,近年RET遺伝子の異常がこれらの疾患の原因であることが判明し(MEN2AとFMTCではcodon609, 611,618,620,634,MEN2Bではcodon918のmissense mutationが代表的),遺伝子診断が導入された.遺伝子診断は信頼性が高く,一度の採血で済み,保因者に加えて非保因者も確実に診断できるなど,きわめて優れた検査法である.しかし遺伝子診断の施行にあたっては医療面以外の問題も含まれ,遺伝性疾患を取り巻く社会環境の整備が強く望まれる.
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